バケットシートのおすすめ13選｜安いものは何が違う？フルバケ・セミバケットシートも

愛車をよりカッコよく機能的にカスタマイズしたいという方は多いですよね。そんな方にはバケットシートがおすすめです。バケットシートとは自動車をカスタマイズする一環として取り付けられる独立した椅子を指します。もともとはサーキットでのレース用に使われていたアイテムです。

バケットシートを導入すると運転姿勢がしっかりホールドされるため、長時間の運転による体の負担が軽減されます。軽量なものを選べば、女性でもカスタマイズが可能です。

そこでこの記事では、スポーツシートのメーカーや、車検対応しているおすすめのセミバケットシート・フルバケットシート、バケットシートの選び方などを紹介します。また、車検の規定や安い製品は何が違うのかについても取り上げますので、導入を検討されている方はぜひ参考にしてください。

カスタムアイテムとして人気の高いバケットシートですが、設置したままでは車検に通らない場合があります。基本的な判断材料としては、

• シートやシートレールが保安基準適合品である
• 保安基準適合を証明する書類がある
• 後部座席がある場合、運転席または助手席のシートがリクライニングできる

などが挙げられます。「セミバケットシート」にはリクライニング機能があるので、安全面などの基準を満たしたものであれば車検を通せます。しかし、リクライニングできない「フルバケットシート」の場合は、別途工夫や申請が必要です。

万一衝突事故などが起きた場合、後部座席の安全を損ねるようなデザインのフルバケットシートは、車検に通りにくくなります。一方、後部座席を撤去するといった車内構造と乗車人数の変更を行えばクリアできる可能性もあります。

セミバケットはリクライニング機能がついたバケットシートです。フルバケットほどのホールド性能はありませんが、乗り降りしやすく、日常使いできるのがポイント。安全基準を満たせば、設置したまま車検に通せます。競技に使用しない場合は、こちらを選びましょう。

フルバケットはレースといった競技用に使用されるバケットシートです。運転者の体をしっかりホールドするよう設計されているため、リクライニング機能はありません。また、ホールド感が高い分乗り降りしにくいです。

フルバケットの中でも、競技専用として販売されているものは公道を走れません。車検にも通らないので、日常使いには向きません。また、タイプに関わらず、購入時はシートレールといった部品が別途必要かを必ず確認しましょう。

バケットシートは使用者とのフィット感が重要なアイテム。車種や体格に合っているかどうかは性能を十分に引き出し、安全に走行するためにとても重要なポイントです。体に合わないバケットシートは乗降や運転の妨げになります。

たとえば、高身長の方には膝裏を支えられる座面が長いタイプがおすすめです。低身長の方の場合、座面が短いタイプならうっ血を防げます。また、サイドがタイトに設計されているものもありますので、大柄な方は注意してください。

ほかにも、ミニバンのような座席が高いタイプの車種にはサイドが低いシートを選ぶといったポイントがあります。特に初心者の方は、実店舗で実際の商品を見ながら選ぶのがおすすめです。

車検は安全な運転ができるかどうかを判断してくれるもの。特に競技用のフルバケットは「同乗者」を想定していない設計のものも多く、そのままでは車検を通れません。また、競技専用の製品は、公道での走行を禁止されています。

車検に通りやすいセミバケットでも、保安基準を満たしている必要があります。大手から販売されている製品は保安基準をクリアしているものが多いので、購入時はしっかりチェックしましょう。

フルバケットシートには「FIA認証」があるものとないものが販売されており、認証があるものは5,000円ほど価格が高くなります。FIA認証は国際的なレースに用いるシートに求められるので、FIA公認のレースや国際C以上の大会に参加する場合は認証ありのシートを選んでください。

日本国内でもFIA公認大会は開催されています。国内ライセンスの大会のみに参加したい方には不要ですが、より大きなレースに出たい方には必要ですので、購入時にチェックしましょう。

国際的なレースに出場するなら、着用が義務付けられているHANS（Head and Neck Support）対応のフルバケットシートを選びましょう。HANS対応モデルなら、もし事故に遭っても頭や首など体を衝撃から守るので、ケガのリスクを軽減できます。

バケットシートは硬めのタイプが多いので、長時間運転していると背中やお尻などが痛くなってしまいます。その場合は、クッション性が高いウレタン素材を使用したシートがおすすめです。レース時だけでなく、通常時でも長時間の運転が楽になります。

また、もしへたれてきたら、シートのカバーを取り外して中のクッションを交換しましょう。張り替えなど補修をすればまた快適な座り心地に戻ります。

F1用のレース車両に使われたのが起源とされるバケットシートは、スポーツタイプの車「ロードスター」「コペン」などによく似合います。ホールド性が高く横からのG（重力加速度）によって体勢が崩れるのを防ぎます。今お持ちの車をさらにかっこよくしたい方におすすめです。

レカロはドイツのシートメーカーで、車を趣味としている方の間では大変有名な企業です。世界各国のメーカーに自社シートを提供しており、日本でも三菱やホンダの一部車種に純正採用されています。レース用のものから日常で使える快適なものまでさまざまなタイプのシートを開発しており、日本人の体格に合わせたシリーズも展開しています。

ブリッドは日本のメーカーで、シートやシートレールをすべて国内で製造しています。多くの国産チューニングカーに製品が採用されるほどの信頼性を誇る企業です。国内メーカーなので日本人に合った設計の製品が展開され、同一シリーズ内でも体格によるサイズ違いの製品が揃う、きめ細やかな商品デザインが魅力です。

スパルコは、イタリア・ピエモンテ州に本社を置くモータースポーツ関連用品の企業です。本格的にスポーツを楽しみたい方向けに作られたシートは、安定感や耐久性が抜群で、快適な走行が可能です。やや高額ではありますが、ドライバーに安全なドライビングを提供する、総合的に優れたシートといえます。

安いバケットシートはガラス繊維を使用しているケースが多く、強度・軽さ・蒸れにくさが異なり、激安な製品はさらに差があります。高いバケットシートには炭素（カーボン）繊維を採用している場合が多く、ガラス繊維よりも2～3倍強度があります。メッシュ加工により軽さ・通気性にも優れ、疲れにくいのが特長です。

価格はおよそ10万円が高い・安いの分岐点です。とにかくコスパ重視の方は2～5万円台の価格帯がピッタリ。迷っている方は6～9万円台の製品がおすすめです。予算がありクオリティ最優先の方は10万円以上の製品が適しています。いいものを安く手に入れたい場合は中古品からも探してみましょう。

バケットシートは基本的にどんな車種であっても取り付け可能です。ただし、バケットシートを取り付けるにはシートをのせるためのレールが必要であり、車種によっては対応するレールがない場合もあります。バケットシートに交換したいなら、適合するレールやパーツがあるかどうかをシートメーカーに問い合わせる必要があります。

運転姿勢をホールドし、快適なドライブをサポートしてくれるバケットシート。モータースポーツがお好きな方でなくても、長時間の運転がしやすくなる便利なアイテムです。ぜひ本記事を参考に、ご自身にピッタリの快適でかっこいいバケットシートを探してください。